ゆめちゃんダイアリーは山中真理子作成のフィクションストーリーです。 途中から読んでもわかりづらいので1話からどうぞ。 これまでの記事はこちら
Contents
登場人物
ゆめちゃん:物語の主人公35歳主婦二児の母
一郎 :ゆめちゃんの旦那さん
かいと :ゆめちゃんちの長男
らいと :ゆめちゃんちの次男
佐藤さん :園バス停が一緒のママ友
ハンドメイド熱
ママフェス以来、ゆめちゃんのハンドメイド熱は上がっていきました。
自分と同じぐらいの年齢のママたちが
自分の好きなことを仕事にしようとしている!
それは今まで、まったく知らない世界だった。
働くといえば
パートや派遣社員など
「誰かに雇われる」「どこかに勤めにでる」そういうものだと思っていたから。
好きなこと、得意なことを仕事にできるのかも!
そう思うとワクワクするゆめちゃんなのでした。
幼稚園の参観・保護者会の日・・・・・
今までは親しく話せるママ友もおらず、
人見知りなので話しかけられても
「うん」とか「そうですね」ぐらいしか返答することができなかったゆめちゃん。
そんなだから、
次第に話しかけてくれる人も少なくなり、居場所もなくて、
井戸端会議をするママたちをよそに
いつも保護者会の後はさっと帰るようにしていていました。
でも、その日は違いました。
クラスを出ると向こうから
「千神さーーーん」と呼ぶ声が聞こえてきたのです。
佐藤さんが、手を振って自分を呼んでいます。
嬉しくなってゆめちゃんは駆け寄っていきました。
佐藤さん「千神さん、ちょうどよかった!紹介したい人がいるの」
ゆめ「紹介?」
佐藤さん
「そうそう、今ね私が千神さんに園グッズを作ってもらったって話をしてたのよ!
そうしたら、みんなが自分も作って欲しいって集まってきてね・・・」
佐藤さんのクラスメイトたち
「私たちも来年、入園だったり、小学校進学なの。
だから手提げや給食用の巾着とか作ってもらいたいの!」
ゆめちゃんはびっくりしました。
佐藤さんだけでなく、縫物が苦手な人は思ったよりも多いようなのです。
それに、何よりみんなに必要とされていることが嬉しくてついつい頬がゆるんできてしまいます。
ゆめ「えーーと、私で良ければぜひ」
ゆめちゃんは顔を赤らめながら答えました。
佐藤さんのクラスメイト一同「よかったー、助かる~」
その日の夕方
もうすでに布だけは買っていたというママの生地を預かり帰ってきたゆめちゃん。
すぐにミシンに向かいます。
自分の子の分も
佐藤さんの分も作ったので園グッズは手慣れたもの。
サクサクと進みます。
一枚の布が形を変えて、可愛い園グッズになっていく。
ゆめちゃんは幸せでした。
らいと(次男)「ねぇ、お母さん。おなか減ったよ~」
らいとの声でハッと気が付くといつもなら夕食にしている時間でした。
ゆめ「いけない!すぐ作るからね」
すっかり夢中になっていて時間も忘れるほどだったのです。
こんなに、集中したのって久しぶり。
時間がないので、夕食はちょっと手抜きになりました。
でも、しょうがないよね、今日はこれでゴメン。
子どもたちを寝かせた後も作業は続きました。
カタカタカタカタ
リズミカルなミシンの音が響きます。
ちょうど乗ってきたところでインターフォン。
夫の一郎のご帰宅です。
ゆめ「ほんとに、タイミングが悪いんだからー!」
ダイニングテーブルを作業スペースにしていたゆめちゃんは急いでテーブルを片づけました。
もう!一回片づけると出すの大変なのになぁ。
一郎「ただいま~。あれー、またミシンやってたの?」
ゆめ「うん、今日保護者会の後に佐藤さんの友達にも頼まれてね。作ることになった」
一郎「ふーーん。じゃ、とりあえず先に風呂入るわ。飯よろしくな!」
この流れで、手抜き料理を出したら何か言われそうだな。
一品足そう!ゆめちゃんは急いで冷凍のシュウマイを温めはじめました。
風呂から出てきた一郎との会話
一郎「今日さ、田代課長と昼飯食ってさ。うちと子どもの年が同じなんだよ」
ゆめ「たしか、女の子だったよね?」
一郎「うん、それでさ、入園の話から園グッズの話になったんだよ」
ゆめ「えっ?今、私いっぱいお願いされてるから私、無理だからね!」
一郎
「んなこと、わかってるって。ほら、あそこの奥さんバリキャリじゃん?
縫物はそこそこできるらしいんだけどとにかく忙しいから、園グッズもオーダーなんだって。
なんでも自由が丘だか代官山にそういう専門の店があって綺麗に仕上げてくれるらしいよ。
私は時間を買うのよ!って言ってるらしいんだ。
やっぱ稼いでいると時間も買うっていう発想なのな。
なんか、すげーなって思ったよ」
ゆめ「へぇー、オーダーの専門店があるんだ」
田代課長の奥さんの話は前にも聞いていた。
なんでも語学が堪能で、外資系の会社で働いているらしい。
社内でも実力をかわれて、外国人の部下もいるらしい。
自分とそう変わらない年だというのに、すごい。
お給料だって、田代課長よりももらっているそうだ。
その話を前に聞いて以来、キャリアウーマンと言えば田代課長の奥さんを思い出す。
一郎「まあ、人それぞれだからね。ゆめはさ、家のことちゃんとやってくれたらいいからさ」
ゆめ「う、うん・・・」
ちょっと釘をさされたような気がした。
家のこと、ちゃんとかぁ。
こういう時、バリキャリの田代課長の奥さんならなんて言うんだろう?
いや、それぐらい働く奥さんには「家のことをちゃんと」なんて望まないのかな。
それとも、「家のこと」もやっぱり誰かにお金を払ってやってもらうんだろうか?
ゆめちゃんには想像もできなかった。
翌朝、一郎が出社し、園バスを見送った後は再び園グッズづくり。
途中、うっかりサイズを間違えて生地を裁断しそうになり冷や汗をかいた。
自分のうちのならまだしも預かっている生地で失敗したら大変だ。
いつもよりも丁寧に作るので時間もかかるし、緊張する。
家でやれるなら何とかなるだろうって思ってたけど結構時間もかかるもんだな。
ゆめ「でも、まあ、みんなが喜んでくれたらいっか!」
ゆめちゃんはそう呟きながら、ミシンを動かし続けたのでした・・・・・
一郎にくぎを刺されつつ、誰かに必要とされる喜びを感じ始めたゆめちゃん。
次回もお楽しみに~
勝手にカイセツ!
★「バリキャリ」とは?
“バリバリ働くキャリアウーマン”を略した言葉。
仕事での自己実現、自己成長を大切にした生き方。
職場での成功やキャリアアップを優先する自立した女性の生き方の人。
子どもを産む前から仕事に打ち込んでおり、働くことは自分の一部と思っている人も中にはいる。
その一方で出産後、親が遠方、子どもが病気がち、
保育の環境的に残業ができないなどの状況から
キャリアか?子育てか?と精神的にハードな現実にぶち当たる人も多い。
同じ会社で働く人の中でも、キャリアに対する考え方は様々。
出産や子育ての中で価値観が変わる人も少なくない。
周りからみてバリキャリと称される人たちにも葛藤や迷いはある。
★「家のことちゃんとやってくれたらいいからさ」とは?
旦那さんが、言いがちなセリフ。
「ちゃんと」とは
子どもや家のことは君に任せてるからねという意味。
さらに、好きなことはやってもいいけど
家のことをないがしろにはしないでくれよ的なニュアンスも含む。
特に、「俺のご飯はよろしく」なのである。
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