ゆめちゃんダイアリーは山中真理子作成のフィクションストーリーです。
途中から読んでもわかりづらいので1話からどうぞ。 第1話はコチラ
Contents
登場人物
ゆめちゃん:物語の主人公35歳主婦二児の母
一郎 :ゆめちゃんの旦那さん
かいと :ゆめちゃんちの長男
らいと :ゆめちゃんちの次男
佐藤さん :園のバス停でいっしょのママ友
入園グッズづくり
今日、入園願書を出してきた。
来年の4月からは下の息子らいとも幼稚園生だ。
この日をどんなに待ちわびていたことか!
入園してくれれば、昼間ゆっくりできるようになる。
やっと、やっと、自由だ!!
帰りがけに園グッズ用に、生地屋さんに寄ってきた。
色とりどりのクルマがプリントされている布を選んだ。
実のところ、らいと君は「こっちがいい!」と
戦隊モノの布を指さしたのだが戦隊モノは毎年キャラクターが変わるのだ。
来年、再来年になったら古く感じるではないか!
そんなわけで選んだクルマ柄である。
家に戻るとさっそくミシンを取り出した。
ミシンは大好きだ。
音がいい。
母も縫物が得意でよく色んなものを縫ってくれた。
手提げのバッグやお人形さんの服。
一枚の布が形を変えてバッグや服になる様子は見ていて楽しかった。
お母さんは魔法使いなんじゃないか!?とすら思った。
お母さんが縫って音を聞いているうちにウトウト寝てしまったこともあった。
目覚めるとハンガーにすごく素敵なスカートがかかっていた時は感動した。
さっそく、着てみると
「汚すから外に着て行ってはダメよ!」
という母の声も聞かずに散歩に出かけたっけ。
ミシンは幸せな思い出が詰まっているなぁ。
幼稚園グッズづくりはサクサク進んだ。
集中していると時間はあっという間に過ぎるもの。
気が付くと、もうお兄ちゃんのお迎えの時間だった。
ゆめ「いけない、急がないと!」
慌てて、らいと君を連れてバス停に迎えに行った。
来年は、二人とも幼稚園だ。
そう考えるとワクワクする。
求人誌は捨ててしまった。
履歴書をいまさら書くなんて嫌だ。
しかも空白のある履歴書なんて自信が持てない。
そうだ、好きなことをしよう。
子どもたちが幼稚園に行ったら、自分の時間を作ろう。
ゆめちゃんの足取りはいつもよりもちょっと軽いのであった。
バス停で
翌朝、バス停に行くと、山田さんと佐藤さんがなにやら相談していた。
ゆめ「おはようございます」
佐藤さん「ねぇ、千神さん、お裁縫って得意だったりする?」
ゆめ「ええ、ミシンで縫うの結構好きですけど」
佐藤さん
「私すごく不器用なのよ。
来年うちも下の子が入園なんだけど園グッズどうしようかと思って困っていたの。
生地はもうピンクの可愛いのを買ってあるんだけど、ミシンもないのよ」
ゆめ
「よかったら、私が作りましょうか?
うちの子の分はもうすぐ仕上がるのでそのあとで良ければ作りますよ」
佐藤さん「本当に!助かるう~。明日生地持ってくるわね」
子どもをバスに乗せると、すぐに家に帰って、らいと君の園グッズを仕上げた。
こんなに縫物って楽しいのに、苦手な人もいるんだなぁ。
ゆめちゃんはそのことに驚いていた。
お母さんもおばあちゃんも縫物は得意だった。
だから、大人はみんな縫物ができると思っていたのだ。
私でも役に立てることがあるんだ!と思うとなんだか嬉しくて仕方なかった。
佐藤さんの園グッズもすぐに仕上がった。
佐藤さん「千神さん、すごいわよ!これ売れるんじゃない? ほんと助かったわーー」
佐藤さんは大喜びだった。
お礼に駅前のおいしいケーキ屋さんのロールケーキまでもらってしまった。
人に喜ばれるっていいもんだな。
ゆめちゃんは佐藤さんからもらった「ありがとう」という言葉に癒されていた。
お母さんの「当たり前」
最近ずっと謝ってばかりだったのだ。
「すみません」
「ゴメンナサイ」
「うちの子がご迷惑をおかけしました」
「気を付けます」
子どもが二人とも男の子でやんちゃなこともあるが、
気が弱いので相手がむっとするとすぐに謝ってしまうのだ。
この前だって、相手の子が悪かったのに結局自分が謝ってしまった。
でも、今日は「ありがとう」と何度も言ってもらえた。
佐藤さん、嬉しそうだったな。
親が子どもにしてあげることは周りから見てみれば「当たり前」なのだ。
ご飯を作ることも
服を着替えさせたり
お弁当を早起きして作ることも
どれもお母さんなら「当たり前」で普通のこと。
でも、「当たり前」だから簡単か?と言われればそんなことはない。
縫物は得意だが、料理はどちらかと言えば苦手。
だから、離乳食には苦戦した。
未だにお弁当作りも苦痛だ。
洋服を着替えさせてあげているのに
子どもが嫌がると焦るのと苛立ちでなかなかうまく着せられない。
お風呂で髪を洗ってあげたら、
たまたま石鹸が目に入ってしまったこともあった。
その時は、痛い痛いと泣かれた。
そのあとしばらく目が充血してしまい反省しきりだった。
お母さんの「当たり前」は結構キツイのだ。
だから、佐藤さんの「ありがとう」は嬉しかった。
家族にしてあげることは「当たり前」でも
家族でない誰かにすることで喜ばれることもあるのだ。
子育て以外に何かするなら「ありがとう」がもらえることがいいな。
ゆめちゃんはそう思い始めたのだった。
つづく・・・・・
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