ゆめちゃんダイアリーは山中真理子作成のフィクションストーリーです。 途中から読んでもわかりづらいので1話からどうぞ。シリーズはこちらから
Contents
登場人物
ゆめちゃん:物語の主人公35歳主婦二児の母
一郎 :ゆめちゃんの旦那さん
かいと :ゆめちゃんちの長男
らいと :ゆめちゃんちの次男
佐藤さん :園バス停で一緒のママ友
フリマへの誘い
朝、いつものように園バスを見送ると佐藤さんが話しかけてきた。
佐藤さん「千神さん、来月フリマにでない?」
ゆめ「フリーマッケートですか?」
佐藤さん
「そうそう、光友マーケットの広場でね、毎月やってるのよフリマ。
うちは、小さくなった服とかおもちゃとか出すんだけどね。
千神さんとこも出すものあるなら一緒にどうかな?と思って」
その瞬間ゆめちゃんは閃いた!
ゆめ「うちはおさがりは従妹にあげるから出せないんです。
でも、園グッズをまた手作りして出すのはどうでしょう?」
ゆめちゃんは自分の閃きにときめいていた。
その時思い出していたのは、
ママフェスで自分の商品をニコニコと売るママクリエイターたちの顔だった。
佐藤さん「うん、いいんじゃないかな?ちょうど季節だしね。
その代わり、出店費は半分ごっこでスペースも半分ずつね!
じゃあ、決まり」
ゆめちゃんは、らいと(下の子)の手を引っ張ると急いで家に帰った。
来月イベントに出る!
ゆめちゃんはそのことに舞い上がっていた。
佐藤さんはいつも自分が変わるきっかけになる誘いをくれる。
ゆめ「このタイミングといい、フリマもきっと運命だ!」
家に戻ると、生地の入った箱をひっくり返して使えそうな布を探し始めた。
ほとんどは切れ端ばかりで、セットで作るほどにはない。
バッグや給食セットなどは揃いの布が好まれるからこれでは足りない。
買いに行こう!
お財布をガッとつかむと、らいとを担いでゆめちゃんは自転車にまたがった。
ゆめちゃんの買い物
何を作ろうか?どの布と合わせようか?と考えながらの布選びは楽しかった。
売るのだから、生地代は戻ってくる!と思うと、
ちょっといい生地のコーナーも見たくなる。
男の子を育てていると、ピンクや花柄のものは作れない。
洋服でさえ、チェックやボーダー、せいぜい星模様ぐらいだ。
フリルやレースなんかは可愛いと思っても縁遠いものだった。
だから、可愛いものに飢えていた自分に気が付いた。
選んだ布もほとんどが女の子向けばかり。
自分でも笑ってしまった。
これでうんと可愛いものを作ろう。
きっと売れるに違いない。
いつもより沢山買い込んだゆめちゃんはるんるんで帰宅したのであった。
ハンドメイド作りの日々
その日からゆめちゃんの手づくりは加速した。
来月まで時間がない。
できるだけ沢山作って、沢山売りたい。
光友マーケットのフリマには行ったことがないけれど、
きっとママフェスみたいに賑わうに違いない。
そう思うと、ゆめちゃんの疲れは吹っ飛ぶのだった。
夜・・・・・
一郎「おい、ゆーーめ!!ただいまっていってるだろっ!」
いつの間にか一郎が帰ってきていた。
夢中になりすぎてインターフォンの音すら聞こえなかったのだ。
ゆめ「ごめんごめん。気が付かなかったわ。おかえり」
一郎
「手作りもいいけどさ。
佐藤さんだっけ?園の友達の沢山作ってただろう?
それってボランティアなわけ?」
男ってどうしてこうなんだろう?
お金お金って。
ゆめ
「お金はもらってないけどさ、佐藤さんはスイーツをくれたし。
みんな、野菜とかお肉とか何かしらくれたから。
別にボランティアってわけでもないし」
一郎
「現物支給ってことか。
でもさ、それ計算してみなよ。
一体ひとつ作るのに何分かかってるんだよ。
スイーツって言ったって、1000円ぐらいだろ。
割に合うのかよ」
ゆめ
「いいの!これは頼まれて作ってるんじゃなくてフリマに出すんだから!
売るんだよ!商品なんだよ!」
ぷりぷりしながらゆめちゃんは夕飯を温めにキッチンへ向かった。
お味噌汁を温めつつ、一郎の言葉が頭に響く。
何分?そんなこと考えもしなかった。
裁断して、縫って、アイロンかけて、一体何分かかったんだろう。
いや、買い物してる時間も入れて考えるのか?
何分どころか1時間以上かかっているかもしれない。
そう考えると、自分の時給なんて雀の涙ほどなんじゃないかと思えてきて悲しくなった。
ご飯とお味噌汁を置くとゆめちゃんは言った。
ゆめ「わりにはあってないかもしれない・・・・・・」
一郎「そうだろう。まっ、好きでやるならいいんだけどさ。ほどほどにな!」
でも!でも!とゆめちゃんは反論したかった。
ずっと友達がいなかった自分が佐藤さんの役に立てて嬉しかったこと。
保護者会の後にみんなに囲まれて、お願いされて優越感のような嬉しさを感じたこと。
転勤生活で誰かにこんな風に必要とされたことはなかった。
いつだって、後から入っていくので教えてもらうばっかりだったと思う。
子どもたちは「お母さん、お母さん」と甘えて来たけれど
お母さん以外の自分が必要とされることなんてなかったように思う。
だから、わりにあっていなくてもハンドメイドは今の私には大事な仕事だ。
ゆめちゃんはそう思っていた。
でも、確かに一郎の言うとおりだ!
フリマで売る商品はちゃんと値段をつけよう。
ボランティア価格にしちゃだめだ。現物支給じゃなくてお金をもらう。
その第一歩だ!
ゆめちゃんはそう心に決めたのであった・・・・・・
次回はなんとゆめちゃんがピンチに!!!
お楽しみに~
カイセツ
★男の母は可愛いものに飢える?
書いている私も二人の男児の母。
洋服選びもグッズの布選びも、
誕生日のおもちゃ選びも
どうも男の子と自分では感覚が違い過ぎてテンションが上がりません。
私のように感じているママも多いようで、
イベントでは可愛い男の子グッズは結構人気なんですよ。
★フリマ
実はフリマは開催場所によってかなり出展者の層や出してくる品物がまちまち。
ゆめちゃんのように自分が行ったことがないフリマに出るというのは結構な冒険です。
ハンドメイドでの出展でなくても、
佐藤さんのようにおさがり服やおもちゃを出す人も多いのがフリマ。
できれば、一度は見に行って
価格帯や来ているお客様の層を見てから出展するかを決めたほうがいいですね。
メルカリやヤフオクでこまごまと出すと、
寸法を聞かれたりや梱包が大変だったりします。
そういうものはリサイクルショップやフリマに出すというのもいい手だと思います。
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